YouTube台本の作り方!作るコツとAIの活用法を紹介!

YouTubeチャンネルの運用において、「動画の再生数が伸び悩んでいる」「毎回アドリブで話すのが大変」といった課題を抱えていませんか。これらの課題を解決し、YouTubeチャンネルを成功に導く上で極めて重要な要素が「台本」の作成です。
本記事では、なぜYouTube動画に台本が必要なのか、その具体的な作り方、さらに質を高めるためのポイント、そして近年注目されるAIを活用した効率的な台本作成術まで、網羅的に解説します。
この記事を読むことで、貴社のYouTubeチャンネルが視聴者を惹きつけ、マーケティング成果に繋がるための具体的なノウハウを習得できるでしょう。
YouTubeの台本を作るべき理由

質の高い動画を作成し、チャンネルを成長させる上で台本は不可欠な要素です。まずは、YouTubeの台本を作るべき理由を3つに分けて解説していきます。
わかりやすい動画が作れる
台本を作成する最大のメリットの一つは、視聴者にとって「わかりやすい動画」を作れるようになることです。事前に構成を練り、話す内容や順序を整理しておくことで、論理的でスムーズな展開の動画を実現できます。
台本がない状態で撮影に臨むと、話があちこちに飛んでしまったり、重要な情報を伝え忘れたりすることが起こりがちです。
しかし、台本があれば、伝えるべきメッセージの核心を明確にし、それを支える根拠や具体例を適切な順序で配置できるため、視聴者はストレスなく情報を吸収できます。
視聴維持率が高まる
YouTubeチャンネルを成功させる上で非常に重要な指標となるのが「視聴維持率」です。そして、台本は視聴維持率を高める上で決定的な役割を果たします。
台本を練ることで、視聴者の興味を引きつける「フック」を冒頭で意図的に仕掛けることが可能です。これにより、視聴者に「見る価値がある」と思わせ、最後まで視聴してもらいやすくなります。
編集作業が効率的になる
「編集作業」は事前に台本を作成しておくことで大幅に効率化できます。台本があることで、カット編集のポイントを素早く見つけたり、テロップ入れの際に文字起こしの手間を省いたりすることが可能です。
さらに、挿入したい画像やBGMなどの編集指示を台本に書き込んでおくことで、編集担当者は迷うことなくスムーズに作業を進められ、制作時間とコストの削減に繋がります。
特にチームで制作する場合、完成イメージを共有するための重要なツールとなります。
振り返りがしやすくなる
YouTubeチャンネルを成長させるためには、「PDCAサイクル」が不可欠であり、このプロセスにおいて台本が非常に役立ちます。
台本は動画制作の記録として残り、YouTubeアナリティクスなどのデータと照らし合わせることで、視聴維持率が低下した箇所やエンゲージメントが高かった箇所の原因を具体的に特定しやすくなります。
過去の台本は組織内でのノウハウ蓄積と共有にも貢献し、担当者が変わっても品質を維持しやすくなります。
YouTube台本の作り方

効果的なYouTube台本を作成するための作り方を、4つのステップに分けて解説します。
- ターゲットを決める
- 構成を考える
- セリフや編集指示を加える
- AIを有効活用する
ターゲットを決める
最も重要なステップは、その動画を届けたい「ターゲットを明確に定める」ことです。誰に向けて動画を発信するのかを具体的にすることで、動画のテーマ、構成、言葉遣い、訴求ポイントなど、台本全体の方向性が定まります。
ターゲット像を定義した後、さらに具体的な人物像である「ペルソナ」を設定してください。
ペルソナを詳細に設定することで、ターゲットに深く刺さる動画の作成が可能になり、視聴維持率やエンゲージメントの向上に繋がります。
構成を考える
構成は動画の設計図であり、情報をどのような順序で伝えれば視聴者に最も効果的に伝わり、最後まで飽きさせずに見てもらえるかを計画するプロセスです。
YouTube動画の基本的な構成要素としては、オープニング、挨拶・自己紹介、本編、まとめ、エンディングといった流れが一般的です。
本編部分では、情報を論理的かつ分かりやすく伝えるために、「PREP法」などの構成フレームワークを活用することが有効です。
セリフや編集指示を加える
具体的なセリフと編集指示を書き加えて台本を完成させます。セリフ作成では、書き言葉ではなく「話し言葉」を意識し、実際に声に出して読んで確認することが重要です。
編集指示には、テロップの内容やタイミング、使用するBGMや効果音、挿入する画像や映像素材、演出などを具体的に記述します。これらの詳細を台本に盛り込むことで、撮影や編集作業がスムーズに進みます。
AIを有効活用する
ChatGPTやGeminiなどの生成AIツールは、YouTube台本作成プロセスを効率化し、新たなアイデア創出を支援する強力な助けとなります。
AIは、テーマに関するアイデア出し、構成案の立案、セリフの草稿作成、既存テキストの要約などを短時間で実行できます。AIの能力と人間の創造性・判断力を組み合わせることで、効率性と品質を両立した台本作成が可能になります。
YouTube台本テンプレート

ここからは、実際に台本を作成する際に役立つ汎用的なテンプレートをご紹介します。このテンプレートをベースに、ご自身の動画内容に合わせてカスタマイズしてみてください。
動画タイトル
YouTube動画のつけるコツは下記、記事を参考にしてください。
1. 導入 (イントロ)
- あいさつ & 自己紹介: (簡潔に)
- 今回のテーマ: (何を話すか、視聴者のメリットは何か)
- 視聴維持のためのフック: (「最後まで見てね」など)
2. 本編 (説明・実演など)
- 要点 1:
- 例:「まず、△△とは何か、その基本的な仕組みを説明します。」
「実際に△△を使って〇〇する手順をお見せします。」
- 例:「まず、△△とは何か、その基本的な仕組みを説明します。」
- 要点 2:
- 例:「次に、△△を活用する上での注意点を3つ解説します。」
「より効果的に△△を使うための応用テクニックを紹介します。
- 例:「次に、△△を活用する上での注意点を3つ解説します。」
- 要点 3: (必要に応じて増減)
- 例:「最後に、△△に関するよくある質問とその回答をまとめました。」
「実際に△△を導入した企業の成功事例をご紹介します。」
- 例:「最後に、△△に関するよくある質問とその回答をまとめました。」
3. まとめ & 行動喚起 (アウトロ)
- 簡単なまとめ:
- (今回の内容の要約)
- 行動喚起 (CTA):
- (チャンネル登録、高評価、コメント、関連動画、SNSなど、促したいことを1~2つに絞る)
- 終わりのあいさつ:
【メモ】
(テロップ指示、BGM、効果音など)
テンプレートはあくまで土台です。動画のテーマやターゲットに合わせて、各項目に具体的なセリフや詳細な編集指示を書き込み、独自の台本へと発展させましょう。
YouTube台本をより良くするポイント

動画の質を高め、視聴者エンゲージメントを向上させるためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
- オープニングは簡潔に
- PREP法を使う
- 「アドリブ」も考慮する
- 関連動画や販売促進を促す
オープニングは簡潔に
YouTube動画において、視聴者が最も離脱しやすいのは「冒頭部分」です。そのため、開始後のわずかな時間で視聴継続の判断が下されます。オープニングは可能な限り「簡潔」にし、いかに早く視聴者の心を掴むかが極めて重要になります。
効果的なオープニング戦略としては、すぐに本題に入るか、「この動画を見れば、あなたの〇〇に関する悩みが解決します」といった視聴者の関心を強く引きつける「フック」を提示することが推奨されます。
PREP法を使おう
本編の構成に「PREP法」を用いることが、情報を論理的かつ分かりやすく伝える上で極めて有効です。
PREP法とは、Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(結論)の順で構成されたフレームワークです。
この構成法は、結論が先に来ることで視聴者は内容を理解しやすく、続く理由と具体例によって話の説得力が高まります。複雑な内容でもストレスなく理解でき、動画の満足度とチャンネルへの信頼感を高める効果があります。
「アドリブ」も考慮する
台本を一字一句そのまま読み上げるだけでなく、ある程度の「アドリブ」を加える余地を残しておくことで、より自然で人間味があり、魅力的な動画になる場合があります。
完全に台本に依存した話し方は硬直的な印象を与えがちですが、適度なアドリブは演者の個性や熱意を伝え、視聴者との心理的な距離を縮める効果が期待できます。
関連動画や販売促進を促す
動画のエンディング部分や適切なタイミングで、視聴者に次の具体的な行動を促す「CTA」を戦略的に組み込むことが極めて重要です。
視聴者の関心が高まっている瞬間に、チャンネル登録、関連動画視聴、商品購入などの具体的なステップを提示することで、受動的な視聴者から能動的なファンや見込み顧客へと転換させることができます。
AIを使ったYouTube台本の作り方

AI技術の進化により、YouTubeの台本作成プロセスは大きく変わろうとしています。
AIツールを活用することで、これまで時間と労力がかかっていた台本作成作業を大幅に効率化し、より質の高いコンテンツ制作に注力することが可能になります。
ここでは、AIを使ってYouTube台本を作成するための具体的なステップと、その際のプロンプト例を紹介します。
動画のテーマを決める
その動画で扱う具体的な「テーマ」を明確に決定することです。
テーマが曖昧だとAIは何を焦点にすれば良いか判断できず、意図しない内容の台本が生成される可能性があります。テーマ選定では、発信者側の意図と視聴者側のニーズの両方を考慮し、できるだけ具体的に絞り込みましょう。
<プロンプト例>
あなたは経験豊富なYouTubeコンサルタントです。
ターゲット: 中小企業のSNSマーケティング担当者
ジャンル: ビジネス解説、ノウハウ提供
上記のターゲットに向けて、YouTube動画で人気が出そうなテーマ案を10個提案してください。それぞれの案について、なぜそのテーマがターゲットに響くと考えられるかの簡単な理由も添えてください。最近のSNSマーケティングのトレンドも考慮に入れてください。
実際の出力例 (Gemini Advancedを使用)

このように、トレンドをもとにした、YouTubeテーマ案が10個作成されました。
テーマを組み込んだプロンプトを作成する
動画のテーマが決まったら、次はそのテーマに基づいて具体的な台本をAIに生成させます。
この際、AIに与える指示、すなわち「プロンプト」の内容が、生成される台本の質を大きく左右します。
より質の高い、意図に沿った台本を出力させるためには、AIに期待する役割、動画の目的、ターゲット視聴者の詳細、主要なポイント、構成形式、想定尺、トーン&マナー、出力形式などを具体的に指示することが重要です。
<プロンプト例>
# 命令書
あなたは、ビジネス系YouTubeチャンネルで人気の構成作家です。以下の条件に基づき、視聴者を引きつけ、分かりやすい動画台本を作成してください。
# 条件
* 役割: 経験豊富なビジネス系YouTube構成作家
* テーマ: 中小企業がYouTubeショートを活用するメリットと具体的な始め方
* ターゲット: YouTube活用に関心のある中小企業の経営者・広報担当者
* 目的: YouTubeショートの有効性を理解してもらい、最初の1本を投稿する行動を促す
* 動画の長さ: 約10分
* 構成:
1. オープニング(約30秒): ターゲットの悩みへの共感、動画で得られることの提示
2. 本編1(約4分): ショート動画のメリット解説(PREP法を使用。リーチ拡大、ブランディング効果、低コスト)
3. 本編2(約4分): 具体的な始め方ステップ解説(テーマ選定、撮影・編集のコツ、投稿設定)
4. まとめ(約1分): メリットと始め方の要点整理
5. エンディング(約30秒): チャンネル登録、関連動画、無料相談へのCTA
* トーン&マナー: 専門的でありながら、初心者にも分かりやすく、丁寧な口調
* 含めたいキーワード: 縦型動画, Z世代, アルゴリズム, スマートフォン撮影
* 編集指示: 各セクションの目安時間、重要なポイントには【テロップ】指示
* 出力形式: 各セクションごとに、目安時間、映像イメージ、セリフ、テロップ指示を記述
# 出力開始
実際の出力例 (Gemini Advancedを使用)

AIを活用することで、セリフや挿入するテロップなど、きめ細やかなYouTube台本が一瞬で作成することができました。
細かい修正を加える
AIが生成した台本は、必ず人間が内容を精査し、必要な修正や調整を行うプロセスが不可欠です。
AIは情報の正確性、文脈の完全な理解、ブランド固有のニュアンス再現などに限界があり、事実誤認や不自然な表現が含まれる可能性があるためです。
修正段階では、内容のファクトチェック、論理的な一貫性などを重点的に確認します。この人間による確認を通じて、AIの効率性と人間の創造性・判断力を組み合わせ、最終的な台本の品質と信頼性を高まります。
では、実際にAIで作成した台本を修正していきます。
修正前 (AIが出力したもの)
2. 本編1:なぜ中小企業こそYouTubeショートなのか?3つのメリット
- セリフ:
- (Point) 「結論から言います。リソースが限られている中小企業こそ、YouTubeショートを積極的に活用すべきです。その理由は、大きく3つあります。」【テロップ】中小企業こそYouTubeショートを活用すべき3つの理由
- (Reason 1) 「1つ目は、圧倒的なリーチ力です。」【テロップ】メリット① 圧倒的なリーチ力
- 「YouTubeショートは、通常のYouTube動画とは異なるアルゴリズムで動いており、チャンネル登録者数に関係なく、多くの人に動画が表示される可能性があります。特に、スマートフォンの利用が中心のZ世代など、若い層へのアプローチにも有効です。」【テロップ】独自のアルゴリズムで拡散されやすい / Z世代など若年層にリーチ
- (Example 1) 「例えば、ある地方の小さな工務店さんが、職人さんのスゴ技をショート動画で紹介したところ、予想をはるかに超える再生回数を記録し、問い合わせが急増した、なんて事例もあるんです。」(具体的なイメージ映像やイラストをインサート)
修正後
2. 本編1:なぜ中小企業こそYouTubeショートなのか?3つのメリット
- セリフ:
- (Point) 「結論から言います。リソースが限られている中小企業こそ、YouTubeショートを積極的に活用すべきです。その理由は、大きく3つあります。」【テロップ】中小企業こそYouTubeショートを活用すべき3つの理由
- (Reason 1) 「1つ目は、圧倒的なリーチ力です。」【テロップ】メリット① 圧倒的なリーチ力
- 「YouTubeショートは、通常のYouTube動画とは異なるアルゴリズムで動いており、チャンネル登録者数に関係なく、多くの人に動画が表示される可能性があります。特に、スマートフォンの利用が中心のZ世代など、若い層へのアプローチにも有効です。」【テロップ】独自のアルゴリズムで拡散されやすい / Z世代など若年層にリーチ
- (Example 1) 「例えば、「コンビニブランドを立ち上げる社長」シリーズがあげられます。このシリーズは、現状のコンビニ業界に疑問を抱いた、とある社長が奮闘するショートドラマで、最大400万再生を超えています。コスト削減することでおにぎりをより安く売るなど、視聴者に共感される問題とその解決策を動画内で盛り込むことで、大きな反響を呼ぶこととなりました」(具体的なイメージ映像やイラストをインサート)
AIが示す「事例」は特に注意が必要です。多くの場合は、AIが独自で考えた虚偽の事例や、普遍的で具体性がない文章になります。
そのため、人がファクトチェックを行い、事例の修正が必要です。
YouTube台本を作れるAI
YouTube台本を作るのに、特に注目度の高い代表的な3つのAIサービスを紹介します。
ChatGPT

ChatGPTは、OpenAI社が開発した、現在最も広く知られている対話型AIの一つです。非常に高い自然言語処理能力を持ち、人間と自然な対話形式で様々な指示に応じることができます。
ChatGPTの最大の強みは、その「汎用性の高さ」と「自由度の高さ」であり、プロンプトを工夫することで、YouTube台本作成におけるアイデア出しからセリフ生成、改善提案まで幅広く対応できます。
基本的に、無料プランでも問題なく活用できますが、有料プランにすることで、ファイルのアップロードや最大出力文字数の拡張されるといった、高度な機能が提供されます。頻繁に使う方には有料版がおすすめです
SAKUBUN

SAKUBUNは、株式会社NOVELなどが開発した、特に日本語コンテンツ生成に強みを持つAIライティングアシスタントツールです。最大の特徴は100種類以上用意された豊富な「テンプレート」があり、必要な情報を入力するだけでAIが自動的に台本を生成してくれます。
月5万円〜のコストがかかる点がネックですが、複雑なプロンプト考案が不要なため初心者でも利用しやすく、日本語に特化しているため自然な文章が期待できます。
Gemini

Geminiは、Googleによって開発された先進的な対話型AIサービスです。
有料版では、テキストだけでなく画像、音声、動画なども理解・処理でき、Google検索との連携による最新情報へのアクセスや、Google Workspace(Gmail、ドキュメントなど)との連携ができ、Geminiの大きな強みです。
YouTube動画の要約機能や複雑なリサーチを支援する「Deep Research」なども提供されています。
本記事でも、有料版であるGemini Advancedを利用し、YouTube台本の事例を作成しました。
https://gemini.google.com/app?hl=ja
まとめ
本記事では、YouTubeチャンネルを成功に導くための「台本」の重要性から、その具体的な作り方、質を高めるポイント、そしてAIを活用した効率的な作成術までを解説してきました。
企業のSNS・マーケティングにおいて、YouTubeは顧客との重要な接点であり、ブランディングや販促に繋がる強力なツールです。
今回ご紹介した台本作成のノウハウとAI活用術を実践することで、視聴者を惹きつけ、エンゲージメントを高め、マーケティング目標を達成するYouTubeチャンネル運用を実現していただければ幸いです。
※株式会社シュビヒロでは、企業様のYouTubeを運用することが可能です。ご相談したいことがございましたら、フォームよりお問合せください。
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