SNS採用の始め方|目的設計からSNS選定・運用・改善まで一挙解説

SNS採用に取り組みたいと思いつつ、何から始めればいいのか迷っている方は多いのではないでしょうか。求人媒体のコストは右肩上がりで、人材紹介のフィーも負担になっているでしょう。そうしたなかSNSを活用した採用手法が注目を集めています。

本記事では、SNS採用の全体像から自社に合ったSNSの選び方、運用ステップ、成果を出す投稿のコツまでを網羅的に解説します。最後まで読むと「どのSNSで、何を、どう発信すればいいか」が明確になるでしょう。

※株式会社シュビヒロでは、企業様の各種SNS運用代行をはじめ、Webサイト構築、LP制作などが可能です。ご相談したいことがございましたらフォームよりご連絡ください。

目次

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは

SNS採用とは、XやInstagram、TikTokといったSNSを使い、求職者にアプローチする採用手法です。ソーシャルリクルーティングとも呼ばれ、企業アカウントから自社の情報を発信し、求職者と直接つながれる点が特徴です。ここでは基本の仕組みと、従来手法との違いを整理します。

企業のSNSで求職者と直接つながる採用手法

SNS採用は、企業が自社のSNSアカウントを通じて採用情報を発信し、求職者と直接やり取りする手法です。従来の採用活動では求人媒体やエージェントを介するのが一般的でした。SNS採用はそうした仲介を挟まず、企業から直接メッセージを届けられます。

具体的には、社員の働く姿やオフィスの様子、経営者の想いなどをテキスト・画像・動画で発信します。求職者はフォローやいいね、コメントを通じて企業との接点を持ち、興味が高まれば応募や問い合わせにつながる流れです。

仲介コストが発生しないため、採用単価を抑えやすい点も中小企業にとって魅力といえるでしょう。アカウント開設から情報発信まで、スマートフォン1台で完結する手軽さも導入ハードルを下げています。

求人媒体・人材紹介との違い

求人媒体は掲載料を支払い、一定期間だけ求人情報を掲載する仕組みです。人材紹介は採用決定時に成功報酬が発生し、年収の30〜35%が相場とされています。いずれも費用が高額になりやすく、掲載期間や契約が終われば接点も途切れます。

一方、SNS採用はアカウント開設が無料で、投稿は削除しない限り残り続けます。日々の発信がコンテンツ資産として蓄積され、中長期的に求職者へリーチし続けられる点が異なります。

また、求人媒体では伝えきれない職場の空気感や社員のリアルな声を、写真や動画で補完できることもSNSならではの強みです。ただし即効性は低い傾向にあるため、急ぎの採用には媒体やエージェントとの併用が現実的でしょう。

SNS採用が注目される3つの背景

SNS採用が急速に広がっている理由は、採用市場の構造変化にあります。求職者の行動パターンが変わり、従来手法だけでは人材を確保しにくくなった今、SNSが新たな採用チャネルとして存在感を高めています。背景にある3つのポイントを順番に見ていきましょう。

Z世代のSNS利用時間が圧倒的に長い

総務省情報通信政策研究所の「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、20代のソーシャルメディア平均利用時間は平日で79.4分、休日で108.4分です。他の年代と比較して突出した数値であり、Z世代にとってSNSは情報収集の主要な場になっています。

就活生や若手転職者の多くが、SNSで企業名を検索し、公式アカウントの投稿内容を確認したうえで応募を判断する傾向が見られます。採用ターゲットが日常的に長時間滞在している場所で情報を発信すれば、接触機会は自然と増えるでしょう。

求人媒体に掲載するだけでは届かない層にリーチできる点が、SNS採用への関心を高めている要因のひとつです。

採用競争の激化で新たなチャネルが必要

有効求人倍率は高止まりが続き、令和6年平均で1.25倍を記録しています。企業間の人材獲得競争は激しさを増し、求人媒体への出稿だけでは応募が集まりにくい状況です。

特に中小企業は大手と比べて知名度で劣るため、従来の手法だけでは母集団を十分に形成しにくい傾向があります。こうした背景から、求人媒体やエージェントに加え、もうひとつの採用チャネルを持つ必要性が高まっています。

SNSは無料で始められるうえ、投稿内容次第で大手にも負けないインパクトを出せる場です。知名度ではなくコンテンツの質で勝負できるため、中小・中堅企業からの関心が急速に集まっています。

参考:厚生労働省 一般職業紹介状況(令和6年12月分及び令和6年分)について

求職者の情報収集手段がSNSへ移行

求職者が企業を調べる手段は、公式サイトや求人媒体だけにとどまらなくなっています。SNSで企業アカウントをチェックし、社員の日常やオフィスの雰囲気を確認したうえで応募を決める行動が広がりつつあります。

求職者は求人票に書かれた条件だけでなく、社風や人間関係といった空気感を重視する傾向が強まっているようです。

企業側がSNSを運用していなければ、求職者が情報を得られず候補から外れるリスクが考えられます。情報収集手段の変化に合わせて採用チャネルを広げることが、今後の採用に直結するでしょう。

SNS採用を導入する5つのメリット

SNS採用には、従来の採用手法にはない独自の利点があります。コスト面だけでなく、ターゲットの拡大やブランディング効果まで幅広いメリットが期待できます。導入によって得られる5つのポイントを順に確認しましょう。

無料〜低コストで運用を始められる

ほとんどのSNSはアカウント開設が無料です。投稿にかかる費用もゼロのため、スマートフォン1台あれば今日からでも発信を始められます。求人媒体の掲載費や人材紹介の成功報酬と比較すると、初期コストを大幅に抑えられる点が特徴です。

有料広告を利用する場合でも、1日数百円から出稿可能な媒体が多く、予算に応じた柔軟な運用ができます。採用予算に限りのある中小企業にとって、低リスクで試せるチャネルとして検討してもよいでしょう。

投稿コンテンツは削除しない限り資産として蓄積されるため、長期的に見てもコストパフォーマンスは高いといえます。

転職潜在層にもアプローチできる

求人媒体やエージェント経由で接点を持てるのは、「今すぐ転職したい」と考えている転職活動中の層が中心です。SNSの投稿はフォロワー以外のユーザーにも表示されるため、まだ転職を意識していない潜在層にも届きます。

タイムラインでたまたま目にした投稿がきっかけで企業に興味を持ち、将来の応募につながるケースは珍しくありません。潜在層へ継続的にアプローチし続けることで、中長期的な母集団形成が可能になります。

競合他社がまだ接触できていない人材と、早い段階で接点を持てる点はアドバンテージでしょう。

企業のリアルな魅力を発信しやすい

求人票に記載できる情報は、職種・給与・福利厚生といった条件面が中心です。一方で求職者が重視しているのは、実際にどんな人が、どんな環境で働いているかという具体的なイメージです。SNSなら写真や動画を活用し、職場の空気感をそのまま届けられます。

社員のルーティン動画やランチタイムの何気ないやり取りを紹介する投稿は、テキスト情報だけでは伝わらないリアルな魅力を可視化します。大手のように洗練されたブランドイメージがなくても、等身大の姿を見せることで共感を得やすくなるでしょう。

拡散力で認知度を一気に高められる

SNSには「いいね」「シェア」「リツイート」など、ユーザーが投稿を広めてくれる機能が備わっています。魅力的な投稿がひとつバズれば、数万〜数十万のユーザーに情報が届く可能性があります。求人媒体の掲載では実現しにくい規模のリーチです。

TikTokやXは、フォロワー数が少ない段階でも投稿がおすすめ表示される仕組みがあります。知名度の低い中小企業でも、コンテンツの質次第で広く認知を獲得できるでしょう。

拡散によって得た認知は、採用だけでなく企業全体のブランディングにもプラスに作用する可能性があります。

双方向コミュニケーションで信頼を築ける

求人媒体は企業側からの一方通行の情報発信になりがちです。SNSではコメントやDM(ダイレクトメッセージ)を通じて、求職者とリアルタイムでやり取りできます。質問に丁寧に回答する姿勢を見せるだけで、企業への信頼感は高まりやすくなります。

双方向のやり取りを通じて、求職者は入社前から企業文化や社員の人柄に触れられるのも利点です。結果として、入社後のミスマッチを減らす効果も期待できるでしょう。

採用活動に対話の要素を組み込める点は、SNS採用ならではの強みです。

SNS採用で押さえるべき3つのデメリットと対策

メリットが多いSNS採用ですが、注意すべきデメリットも存在します。事前にリスクを把握し、対策を講じておけば、致命的な失敗は避けられます。押さえておきたい3つのデメリットと、対処法を確認しましょう。

成果が出るまでに時間がかかる

SNS採用は、アカウント開設直後に応募が殺到する手法ではありません。まずフォロワーを獲得し、投稿への反応を積み重ね、認知と信頼を築くプロセスが求められます。成果が見え始めるまでには最低でも3か月程度かかると考えましょう。

対策として有効なのは、SNS採用だけに依存せず、求人媒体やエージェントと併用する運用です。短期的な採用は既存チャネルで確保し、SNSは中長期的な母集団形成と採用ブランディングに位置づけましょう。

KPIをフォロワー数やエンゲージメント率など段階的な指標に設定すれば、途中経過の成果も可視化できます。進捗が目に見える状態をつくることで、運用を継続しやすくなります。

炎上による企業イメージ低下のリスク

SNSの拡散力はメリットである反面、不用意な投稿が瞬時に広まるリスクも抱えています。差別的な表現やハラスメントを想起させる内容が含まれていた場合、企業イメージの回復には多大な時間と労力が必要です。

対策は、投稿前のダブルチェック体制を構築することです。投稿ガイドラインを策定し、NGワードやテーマを明文化しておくだけでもリスクは低減します。

万が一炎上が発生した場合に備え、対応フローと責任者をあらかじめ決めておくことも重要です。ルールを整えたうえで運用し、炎上リスクを最小限に抑えましょう。

継続運用に人的リソースが必要になる

SNS採用は、始めることより続けることのハードルが高いと言われています。投稿の企画、撮影、編集、コメント対応など、日常的に工数が発生します。担当者が他業務と兼務するケースでは、投稿頻度が落ちてアカウントが放置されやすくなります。

対策として、まず週の投稿回数を現実的な本数に設定し、無理のないスケジュールを組みましょう。投稿テンプレートを事前に用意しておけば、毎回ゼロから企画する負担を減らせます。

社内リソースがどうしても不足する場合は、SNS運用代行サービスの活用も選択肢のひとつです。外注を活用しながら社内体制を段階的に整えていく方法もあります。

【比較表あり】SNS採用に使える主要SNSの特徴

SNSはそれぞれユーザー層や得意な発信形式が異なります。自社の採用ターゲットに合わないSNSを選ぶと、どれだけ投稿しても成果にはつながりにくいでしょう。ここでは主要5つのSNSの特徴を整理し、媒体選定のコツを紹介します。

スクロールできます
SNS国内ユーザー数メインユーザー層強み投稿形式
X(旧Twitter)約6,700万人20〜40代拡散力・リアルタイム性短文テキスト+画像
Instagram約6,600万人10〜30代ビジュアル訴求・ブランディング画像・リール動画・ストーリーズ
TikTok約3,300万人10〜20代若年層リーチ・バズりやすさショート動画(15秒〜数分)
YouTube約7,120万人全年代深い情報伝達・長期資産性中〜長尺動画
Facebook約2,600万人30〜50代ターゲティング精度・実名制テキスト+画像・動画

X(旧Twitter)は拡散力とリアルタイム性が強み

Xは短文テキストを中心に、画像や動画を添えて投稿できるSNSです。国内ユーザー数は約6,700万人で、20代の利用率は約80%に達しています。リツイート機能による拡散力が最大の強みで、1つの投稿が短時間で数万人の目に触れることもあります。

ハッシュタグ(#新卒採用、#エンジニア募集 など)を活用すれば、採用情報を検索するユーザーにピンポイントで届けやすくなるでしょう。投稿の寿命が短い傾向にあるため、週3回以上の定期発信で効果を維持できるでしょう。

リアルタイム性を活かし、採用イベントの告知や速報性のある情報を発信する使い方にも適しています。テキスト中心のため、動画制作のスキルがなくても始めやすい点も利点です。

Instagramはビジュアルで企業文化を伝えやすい

Instagramは画像と動画を中心としたSNSです。国内ユーザー数は約6,600万人で、10〜30代の利用率が高い傾向にあります。フィード投稿、リール動画、ストーリーズと複数のフォーマットがあり、目的に応じた使い分けが可能です。

採用活動では、オフィスの雰囲気を写真で紹介したり、社員の日常をリール動画にまとめたりするパターンが定番です。統一感のあるデザインでアカウントを構築すると、企業のブランドイメージが伝わりやすくなります。

ストーリーズの質問機能を活用すれば、求職者からの疑問にリアルタイムで回答する双方向のやり取りも実現できます。ビジュアルで社風を伝えたい企業は、候補にあがるでしょう。

TikTokは若年層への訴求力が圧倒的

TikTokは15秒〜数分のショート動画を投稿・視聴するSNSです。国内ユーザー数は約4,200万人で、10代の利用率が約70%、20代が約52%と、若年層への浸透力があります。

最大の特徴は、フォロワー数が少なくてもアルゴリズムにより投稿がおすすめ表示される仕組みです。アカウント開設直後からバズを狙えるため、知名度のない中小企業でも大きなリーチを獲得できる可能性があります。

エンタメ要素を含むコンテンツが拡散されやすい傾向にあり、社員が出演するユニークな日常動画との相性がよい傾向にあります。新卒や20代の中途採用を強化したい企業にとって、優先度の高い媒体でしょう。

YouTubeは動画で職場のリアルを深く届けられる

YouTubeは長尺動画の投稿が可能なプラットフォームです。国内ユーザー数は約7,120万人で、10代から40代まで利用率が90%を超えています。5分〜30分の動画を通じ、テキストや写真だけでは伝わりにくい職場のリアルな空気感を詳細に届けられる点が強みです。

社員インタビュー、オフィスツアー、1日の業務密着動画など、情報量の多いコンテンツに向いています。投稿した動画は検索経由で長期間にわたり再生されるため、採用広報の資産として機能し続けるでしょう。

ただし、撮影・編集にかかる工数はほかのSNSより大きくなる傾向があります。運用体制を整えてから取り組むようにしましょう。

Facebookはミドル層の中途採用に向いている

Facebookは実名登録が原則のSNSです。国内ユーザー数は約2,600万人で、30〜50代の利用率が高い反面、20代以下の利用率は30%未満にとどまっています。若年層の採用には不向きですが、ミドル層をターゲットにした中途採用に適した媒体です。

実名制のため、ユーザーの経歴やスキル情報の信頼性が高く、広告ターゲティングの精度にも優れています。年齢・地域・職種などで細かく配信先を絞り込めるため、ピンポイントで届けたい求人情報との相性がよいでしょう。

文字数制限は63,206文字なので、文字数を気にせず企業理念やビジョンをじっくり伝える長文投稿にも活用できます。

自社に最適なSNSを選ぶための判断基準

主要SNSの特徴を把握したら、次は自社にとってベストな媒体をどう選ぶかが重要です。闇雲に複数のSNSを同時に始めると、リソースが分散して中途半端な運用になりがちです。3つの判断基準に沿って、最適なSNSを絞り込みましょう。

採用ターゲットの年齢層と利用SNSで絞る

最も優先したい基準は、採用したい人材の年齢層が多く利用しているSNSを選ぶことです。20代のZ世代を狙うならInstagramやTikTok、30〜40代のミドル層にはFacebook、幅広い年代に届けたいならXやYouTubeが候補になります。

まず自社の採用ターゲットのペルソナを設定し、そのペルソナが日常的に使っているSNSを特定しましょう。ターゲットと利用者層が一致していないSNSに投稿を続けても、届くべき相手には情報が届きません。

総務省の調査データなどを参照し、年代別の利用率を根拠に判断するのもおすすめです。感覚ではなく、データをもとにした選定が成果への近道になります。

発信したいコンテンツの形式から逆算する

SNSごとに適したコンテンツ形式は異なります。写真や短い動画で視覚的に伝えたいならInstagram、テキスト中心でリアルタイムに情報を届けたいならX、長尺動画で深い情報を届けたいならYouTubeが適しています。

自社が発信できるコンテンツの種類を洗い出し、フォーマットに合うSNSを逆算して選ぶと、運用後のギャップが少なくなるでしょう。動画制作のスキルやリソースが社内にない場合、TikTokやYouTubeを選んでも運用が続きません。

「何を伝えたいか」と「どの形式で見せられるか」の両方を起点に考えることがポイントです。

自社の運用リソースに合う媒体数で絞る

SNS採用を始める際は、1〜2媒体に絞って運用するのがおすすめです。複数のSNSを同時に立ち上げると、投稿ネタの準備やコメント対応に追われ、どのアカウントも更新頻度が落ちがちです。更新が止まったアカウントは求職者にマイナスの印象を与えるため、むしろ逆効果になります。

担当者の人数と週に確保できる工数を具体的に見積もり、現実的に運用できる媒体数を決めましょう。まずは1つのSNSで成功パターンをつかみ、ノウハウが蓄積された段階で2つ目に展開するのが堅実です。

やらないSNSを決めることも、立派な戦略判断です。

SNS採用の具体的な運用ステップ【7段階】

SNS採用を成果につなげるには、アカウントを開設して闇雲に投稿するだけでは不十分です。目的設計から分析・改善まで7つのステップを順番に踏むことで、成功確率は高まります。各ステップのポイントを具体的に解説します。

①運用の目的とゴールを明確に定める

最初に行うのは、SNS採用を通じて何を達成したいかを具体的に定義する作業です。「応募数を増やしたい」「企業の認知度を上げたい」「採用ブランディングを強化したい」など、目的によって投稿内容もSNS選びも変わります。

目的が曖昧なまま運用を始めると、投稿に一貫性がなくなり、誰にも刺さらないアカウントになります。「半年後に月間5件の応募をSNS経由で獲得する」のように、期限と数値を含めたゴールを設定しましょう。

ゴールが明確であれば、途中で迷ったときに方向性を定める判断基準にもなります。チーム全体で共有しておくと、運用の方向性がブレにくくなるでしょう。

②採用ターゲットとペルソナを設計する

採用ターゲットとペルソナを設計する 目的を決めたら、次は「誰に届けるか」を具体化します。採用したい人材の年齢、職種、経験年数、価値観などをもとにターゲット像を絞り込みましょう。さらにペルソナを設定すると、投稿内容の方向性が定まりやすくなるでしょう。

設計項目としては、年齢・性別・現在の職種・転職で重視するポイント・普段使っているSNS・情報収集のタイミングなどが挙げられます。実在の社員をモデルに設計すれば、リアリティのあるペルソナに仕上がります。

ペルソナが明確であるほど投稿の方向性にブレがなくなり、ターゲットに響くコンテンツを安定して発信できる体制が整うでしょう。

③目的に合ったSNSを選定する

ペルソナが決まったら、そのペルソナが利用しているSNSを選びます。前章の判断基準をもとに、ターゲットとの親和性が高い媒体を1〜2つに絞りましょう。

選定にあたっては、発信したいコンテンツの形式と自社のリソースも必ず考慮に入れてください。「20代向けだからTikTok」と安易に決めるのではなく、動画制作のスキルや工数を確保できるかまで見極めることが重要です。

運用可能な体制を前提に選ぶことで、開設後の継続率が格段に上がります。無理なく続けられるSNSが、自社に合ったSNSです。

④KGI・KPIで成果指標を設定する

KGI(最終目標を示す指標)とKPI(中間指標)を設定し、運用の成果を定量的に測れる状態にします。KGIの例としては「SNS経由の応募数」「採用人数」などが挙げられます。KPIは「月間フォロワー増加数」「投稿あたりのエンゲージメント率」「プロフィールへのアクセス数」が代表的です。

数値目標があることで、何が効果的で何を改善すべきかが見えてきます。目標なしに運用を続けると、効果を実感できず途中で挫折するケースが多い傾向にあります。

まずは3か月単位で目標を設定し、達成状況に応じて見直すサイクルを回しましょう。短いスパンで検証すれば、軌道修正も早期に行えます。

⑤アカウントのコンセプトと投稿方針を決める

アカウント全体のトーンやテーマを定義し、どのようなコンテンツを投稿するかの方針を決めます。コンセプトは「自社の魅力をどの角度から伝えるか」を言語化したものです。「社員のリアルな日常を通じて、チームの温かさを伝える」のように一文にまとめると、社内共有もスムーズになります。

投稿方針では、発信内容のカテゴリを3〜5つに整理するのが効果的です。具体的には、社員紹介、オフィス風景、社内イベント、経営者メッセージ、募集情報などが候補に入ります。

カテゴリごとに投稿テンプレートを用意しておけば、毎回ゼロから企画する手間が省けます。コンセプトに沿った一貫性のある発信は、アカウントへの信頼感につながるでしょう。

⑥投稿スケジュールと運用体制を整える

コンセプトと投稿方針が決まったら、週の投稿回数と担当者を具体的に設定します。投稿スケジュールは月単位でカレンダーに落とし込み、いつ・誰が・どのカテゴリで投稿するかを可視化しましょう。

投稿前のチェック体制も重要です。誤字脱字や不適切な表現がないか、投稿前に第三者が確認するフローを組み込むだけで、炎上リスクは大幅に減ります。

運用担当者が1人の場合は、チームメンバーにチェック役を依頼しましょう。無理のないスケジュールと最低限のチェック体制を整えてから運用を開始するのが鉄則です。

⑦データを分析してPDCAを回し続ける

投稿を始めたら、各SNSのインサイト機能(分析ツール)を使いデータを定期的に確認します。確認する指標は、インプレッション(表示回数)、エンゲージメント率、プロフィールアクセス数、フォロワー増減数などが代表的です。

数値を分析すると、「どのカテゴリの投稿がよく見られているか」「どの時間帯に反応が高いか」が明確になります。効果の高い投稿パターンを増やし、反応の薄いパターンは改善するPDCA(計画→実行→検証→改善)を回し続けることが、SNS採用の成果を最大化する方法です。

月に1回の振り返りミーティングを設けるだけでも、運用の質は着実に向上していきます。

SNS採用で成果を出す投稿コンテンツ例

SNSアカウントを開設しても、何を投稿すればいいかわからず手が止まるケースは少なくありません。採用に効果的な投稿には共通するパターンがあります。すぐに取り入れられる4つのコンテンツ例を紹介します。

社員の1日ルーティン動画で日常を見せる

求職者が特に知りたい情報のひとつが「入社したら毎日どんな生活になるのか」です。社員の出社から退社までの流れを動画で撮影し、ショート動画にまとめて投稿しましょう。朝のルーティンからデスクワーク、ランチタイム、退勤後の過ごし方まで見せることで、入社後の生活を具体的にイメージしてもらえます。

ポイントは、作り込みすぎないこと。普段の姿をそのまま映すリアルさが、求職者の共感と信頼を生みます。職種別に複数パターンを制作すると、異なるターゲットへの訴求も可能です。InstagramのリールやTikTokで高いエンゲージメントを獲得しやすいフォーマットでもあります。

社員・経営者インタビューで想いを届ける

社員インタビューでは、入社理由や仕事のやりがい、チームの雰囲気などを本人の言葉で語ってもらいます。テキスト+写真の投稿でも効果はありますが、動画形式にすると表情や声のトーンから人柄が伝わり、より強い印象を残せます。

経営者インタビューも採用広報としての効果が期待できます。会社のビジョンや事業にかける想いを経営者自身が発信することで、共感した求職者からの応募につながるケースがあります。

特に中小企業では、経営者との距離の近さが大手にはない強みです。「この人のもとで働きたい」と思わせるコンテンツは、採用力を底上げするでしょう。

オフィスや社内イベントの雰囲気を伝える

オフィスの写真や社内イベントのレポートは、企業の社風を伝える定番コンテンツです。デスク周りや会議室、休憩スペースなどを紹介する投稿は、求職者が「ここで働く自分」をイメージする助けになります。

忘年会や勉強会、チームランチといったイベントの投稿は、社内の人間関係の良さを示す材料です。堅い会社と思われがちな業界ほど、カジュアルな一面を見せる投稿が効果を発揮する傾向にあります。

撮影はスマートフォンで十分対応できるため、特別なスキルがなくても取り組みやすいコンテンツです。

質問箱で求職者の不安を解消する

Instagramのストーリーズ機能やXのアンケート機能を使い、求職者からの質問を募集する投稿です。匿名で質問できるため、面接では聞きにくい残業時間や有給取得率、社内の人間関係などについて率直な疑問が集まりやすくなります。

寄せられた質問に誠実に回答し、その内容を投稿として公開すれば、同じ疑問を持つほかの求職者にも情報を届けられます。回答をオープンにする姿勢が、風通しの良い会社、透明性のある企業という好印象につながるでしょう。

定期的に実施することで投稿のネタ切れ対策にもなります。

SNS採用が向いている企業・向いていない企業

SNS採用はすべての企業に最適な手法とは限りません。自社の状況や採用課題に照らし合わせ、導入の判断をすることが重要です。向いている企業・向いていない企業の特徴をそれぞれ整理しました。

向いている企業

SNS採用との相性は、企業の採用ターゲットや発信できるコンテンツの種類によって変わります。以下の3つに当てはまる企業は、SNS採用の効果が出やすい傾向にあります。

採用ターゲットがZ世代・20代中心の企業

SNSの利用時間が長い層と採用対象が一致するため、接触効率が高い傾向にあります。母集団形成のコストパフォーマンスにも優れており、求人媒体だけではリーチしにくい層にも日常的に情報を届けられます。

企業文化・職場の雰囲気・ビジョンなど「求人票に書けない魅力」がある企業

 SNSは写真や動画を通じて、職場の空気感を伝えるのに適したメディアです。条件面の比較では大手に勝てなくても、人の魅力や独自の社風を発信することで差別化を図れます。ブランディング型の採用戦略との相性が良いでしょう。

採用ブランディングに課題がある中小・中堅企業

 知名度で大手に劣る分、SNSで人や現場のリアルを見せることで存在感を打ち出せます。求人票では横並びになりがちな中小企業でも、コンテンツの質次第で求職者の興味を引くことは十分に可能です。

向いていない企業

一方、SNS採用が効果を発揮しにくいケースもあります。以下の3つに該当する場合は、他の採用チャネルを優先するか、条件を整えてから導入を検討しましょう。

即戦力・経験者を今すぐ採用したい企業

 SNS採用は認知→興味→応募までのリードタイムが長く、急ぎの採用には向いていません。短期で成果を出す必要がある場合は、求人媒体やエージェントの活用が現実的です。SNSは中長期の母集団形成として並行運用する位置づけが適しています。

発信できるコンテンツがほぼない企業

職場の様子、社員の声、日常業務など見せられる素材がなければ投稿は続きません。コンテンツのネタが枯渇するとアカウントが放置され、逆にマイナスの印象を与えるリスクがあります。まずは社内で発信可能な素材を洗い出すところから始めましょう。

運用に割けるリソースがゼロの企業

撮影・編集・投稿・コメント対応を誰も担えない状態では、運用開始自体が負担になります。社内でリソースを確保できない場合は、SNS運用代行の活用を前提に検討するのが合理的です。外注であっても、社内の協力体制は最低限必要になる点は押さえておきましょう。

SNSでの採用が成功した企業3選

実際にSNS採用で成果を上げた企業の事例を紹介します。業界も規模も異なる3社の取り組みから、自社に応用できるヒントを見つけてください。

三井住友カード|Instagramで潜在層を獲得

出典:https://www.instagram.com/smcc_recruit/

三井住友カードは、新卒採用向けのInstagramアカウントを運用しています。社員インタビューや部署紹介をリール動画やフィード投稿で発信し、求人票だけでは伝わらない社内の雰囲気を可視化している点が特徴です。

内定者インタビューや社員の1日密着動画など、入社後の自分を想像できるコンテンツが充実しています。ストーリーズを活用した質問企画も定期的に実施し、就活生の疑問を直接解消する場を設けています。

まだ応募を検討していない潜在層に対しても日常的に企業の魅力を届け続けることで、長期的な母集団形成につなげている好例です。大手企業であっても、SNSだからこそ伝わる情報を重視する姿勢が参考になります。

三和交通|複数SNS連携で採用数8倍に成長

出典:https://www.youtube.com/@sanwakoutsu_taxi

神奈川県を拠点とするタクシー会社・三和交通は、TikTokYouTubeXの複数SNSを連携して運用し、採用数を大幅に伸ばしました。取締役本部長の溝口氏自らが出演し、オフィスで踊る動画やユニークな日常コンテンツを発信。タクシー業界の固いイメージを覆す投稿が話題を呼びました。

2021年の新卒採用人数は24人に達し、新卒採用を始めた2005年から8倍に成長しています。「TikTokを見て三和交通を知った」と話す応募者も増えており、SNSが認知獲得から応募までの導線として機能しています。

業界イメージにとらわれず自社ならではのエンタメ要素を発信する姿勢は、業種を問わず参考になる事例です。

大京警備保障|TikTokで応募ゼロから一変

出典:https://www.tiktok.com/@dkykeibi_tokyo

東京の警備会社・大京警備保障は、TikTok参入前は求人への応募がほぼゼロの状態でした。社員の平均年齢は50代。若手の採用に苦戦していた同社が選んだ突破口がTikTokです。

社長の櫻井氏を中心に社員が出演するコミカルなショート動画を投稿し始めたところ、フォロワー数は200万人を突破しました。TikTok参入後は応募者の70〜80%が若年層に変化し、採用構造が一変しています。

投稿内容は採用に直結するものだけでなく、トレンドに乗ったエンタメ系の動画が中心です。「面白い会社で働きたい」と感じた視聴者が応募に至る流れが定着しました。知名度のない中小企業でも、コンテンツの力で採用課題を打破できることを示した代表的な事例です。

まとめ

SNS採用は、求人媒体や人材紹介では届かない層にアプローチし、企業のリアルな魅力を伝えられる採用手法です。無料で始められるためコスト面の負担が小さく、コンテンツの質次第で知名度に関係なく成果を出せる点が、中小・中堅企業にとっての強みになります。

成功のポイントは、目的とターゲットを明確にしたうえで自社に合ったSNSを選び、継続的にPDCAを回すことです。すぐに成果が出る手法ではありませんが、蓄積されたコンテンツは長期的な採用資産として機能し続けるでしょう。

本記事で紹介した7つの運用ステップに沿って、まずはアカウント開設と運用設計から着手してみてください。

※株式会社シュビヒロでは、企業様の各種SNS運用代行をはじめ、Webサイト構築、LP制作などが可能です。ご相談したいことがございましたらフォームよりご連絡ください。

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監修者

Z世代を中心としたWebコンサル会社を経営|教育業、フリーエンジニア、有名社長の元秘書|Web施策を守備範囲広く対応するため、株式会社シュビヒロを設立

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