リフォーム業界でSNSを運営するメリットは?成果を出す運用のコツと成功事例5選を紹介

リフォーム業界では、顧客の情報収集源がチラシからインターネットへと大きく変化しています。国土交通省の調査によると、リフォーム検討時の情報収集で「インターネット」が「折り込み広告」を上回る結果となりました。この変化に対応し、集客を最大化するにはSNS活用が不可欠です。
この変化に対応し、集客・信頼性向上・採用を同時に実現するには、戦略的なSNS運用が不可欠です。目的やターゲットを明確にし、継続的かつ戦略的に運用することが求められます。
本記事は、リフォーム会社のSNS担当者が効果的な活用法を解説します。自社に最適な運用方法を見つけ、競合他社との差別化を図りましょう。
リフォーム会社がSNS活用をするメリット

リフォーム会社がSNS活用をするメリットを紹介します。SNSは、リフォーム会社の価値や雰囲気を幅広く伝えられる効果的なツールです。集客、信頼性の向上、採用活動など、目的別に活用することで、経営に大きく貢献します。
集客ができる
SNSは、施工現場の雰囲気や職人の技術を視覚的に伝え、顧客に安心感を与える効果的な集客方法です。文字だけでは伝えきれない仕上がりの美しさや現場の丁寧さを発信することで、顧客の理解と関心を深めるきっかけにもなります。
具体的な集客方法として、Instagramではビフォーアフター写真を統一されたフォーマットで投稿し、ストーリーズで工事進捗をリアルタイム配信することが効果的です。
YouTubeでは施工プロセス全体を記録したタイムラプス動画が人気を集めています。「築30年マンションのフルリノベーション」など具体的なタイトルを設定し、工事費用や期間を動画内で透明性を持って公開することで、視聴者の信頼を獲得できます。
チラシや看板、知人紹介といった限定的な手法とは異なり、地域を超えた幅広い顧客層へのアプローチが可能です。
会社の信頼度があがる
リフォームは高額な投資のため、顧客は複数社を比較検討し、信頼できる会社を慎重に選ぶ傾向にあります。SNSを活用することで、信頼獲得につながりやすくなります。
施工事例を公開することで、技術力と実績をユーザーに伝えやすくなるでしょう。特に、施工中の進捗や、途中の丁寧な作業や清掃、職人の姿勢が見えることで、「この会社に任せれば安心」と思ってもらいやすくなります。
また、日常的な投稿を通じて職人やスタッフの人柄を伝えることで、「この人に任せたい」という感情的な信頼関係も構築できます。
採用ができる
SNSは従来の求人手法では届かない人材にアプローチできる有効なツールです。特に若手の職人志望者や未経験者に対して、リアルな職場環境や仕事のやりがいを伝えることができます。
職人の技術力を動画で紹介することで、「かっこいい仕事」「やりがいのある仕事」としてのイメージを訴求することが可能です。また、社内の雰囲気や先輩職人のインタビューなどを通じて、「働きやすい環境」をアピールし、応募意欲を高められます。
継続的なSNS運用により構築されるブランドイメージは、採用においても大きな差別化要因となり、優秀な人材の獲得につながります。
リフォーム会社がSNS運用の際に意識するポイント

明確な戦略と継続的な工夫が、成果を生むSNS運用の鍵となります。ここでは、4つのポイントに絞って解説します。
- 運用の目的を定める
- ターゲットを明確にする
- 施工事例の見せ方を工夫する
- 定期的な発信を心がける
これらのポイントを押さえることで、投稿内容に一貫性が生まれ、効率的に成果を上げることができるようになります。
運用の目的を定める
SNS運用の第一歩は、その目的を明確にすることです。「採用強化」や「リフォーム会社の集客」など、具体的なゴールを設定することで、投稿内容に一貫性が生まれ、軸がぶれなくなります。
SNS運用の目的が採用であれば、「職人の1日」や「新人インタビュー」など、実際の職場の雰囲気やチームの空気が伝わる投稿が効果的です。
一方、集客目的であれば、リフォームの品質や進行状況が具体的に伝わる「施工事例のビフォーアフター」、「工事プロセス」、「お客様との打ち合わせの様子」といった投稿が適しています。お客様が安心できる情報を提供することで、見積もり依頼や問い合わせに繋がりやすくなります。
ターゲットを明確にする
効果的なSNS運用には、詳細で具体的なターゲット設定が必要です。「40代女性」といった大まかな設定ではなく、「40代女性、小学生の子どもが2人、築15年の戸建て住宅、在宅ワーク中心、キッチンリフォームを検討中」といった詳細なペルソナを設定しましょう。
このペルソナ設定により、投稿内容、使用するSNSプラットフォーム、投稿時間、使用するハッシュタグなどが自然と決まります。複数のペルソナを設定し、それぞれに適したコンテンツを配信することで、より幅広い顧客層にアプローチできます。
施工事例の見せ方を工夫する
リフォーム会社のSNSコンテンツの中核となるのが施工事例の発信です。効果的な見せ方には複数のアプローチがあります。
まず、ビフォーアフター写真の活用では、劇的な変化を視覚的に訴求できるよう、同一アングルでの撮影、ライティングの統一、写真品質の向上が重要です。
施工プロセスの記録では、タイムラプス動画(長時間の変化を早送りで見せる映像)や段階的な進捗写真を活用し、工事の透明性と職人の技術力をアピールできます。特にYouTubeでは、キッチンの解体から設置まで、工事の進行を詳細に記録した動画が高い評価を得ています。
Instagram Reelsでは15-60秒の短時間で施工の要点を紹介し、職人技術のクローズアップ撮影により専門性を訴求できます。
ただし、施工事例の掲載には顧客の同意が必要です。契約時にSNS掲載の許可を取り、個人情報が特定できる要素は除去するなど、法的な配慮を忘れずに行いましょう。
定期的な発信を心がける
投稿頻度が低いアカウントからはユーザーが離れてしまう傾向があります。効果的な運用を実現するには、週に3回程度の継続的な投稿を行うことが重要です。
週3回の投稿を1ヵ月程度続けると、アカウントへのアクセス数やフォロワー数に変化が見え始めることが多いです。さらに、3ヵ月以上の継続になれば、「毎週投稿している安心感」や「会社の雰囲気がわかる信頼性」になって、見積依頼や問い合わせも増えるでしょう。
継続的な運用ができていない場合は、「担当者を定める」「SNS運用会社に委託する」といった改善策があげられます。
リフォーム会社のSNS成功事例
リフォーム会社がSNSを運用することで、集客や採用など成功した事例が増えています。ここでは、特に成功が目立つリフォーム会社のSNS活用例を紹介します。
エフディーシー
エフディーシーは神戸を中心とした工務店です。「内装業におけるAI導入」など社長のX発信が注目を浴びており、1億円以上の内装工事を受注することに成功しました。
無数にいる内装工事会社の中で、「店舗の内装工事に特化している」点にフォーカスした投稿を行った結果、ユーザー層に刺さる投稿で反響を浴びています。
店舗経営者の皆さん!
— ふなとみ|店舗内装屋|施工管理募集中 (@funatomix) February 4, 2024
ふなとみに内装工事をお任せください!!
▼私の強み
・即レス、即反応
・建築業界の現場11年の経験値(割と長いと思う)
・不動産業もやってるから物件選定も得意
・ちゃんと建設業の許可も持ってる(持たずに工事してる業者、実は多いです…)…
リフォームパーク
リフォームパークは地元のお客様と工務店とのプラットフォームです。「職人密着TV」というYouTubeチャンネルを運営しており、定期的に、「水回りトラブル防止の配管工事」など、工務店のリアルな工事現場を映した密着動画を投稿しています。
コアな動画でありながら、視聴回数は3000回を超え、サービスの普及につながっているのもポイント。さらに、密着取材を受けた工務店側にもメリットがあるため、単に自社コンテンツを宣伝するだけでなく、双方に魅力的な内容となっています。
安川工務店
安川工務店は、店舗リフォームを専門とする内装業者です。
特にX(旧Twitter)での情報発信に力を入れており、社長自らが利用者と積極的に交流しているのが特徴的です。
そのやり取りからは、社長の人柄や「予算に関する内装業界の課題」など、現場目線の情報が自然と伝わってきます。
こうした発信の結果、X経由で週に3件の問い合わせを獲得するなど、SNS活用による集客効果が出ています。さらに、YouTuberのヒカル氏とのコラボ動画を通じては、2名の採用にもつながりました。
今日は、ひかるさんのコラボYouTubeからお問い合わせありました、お仕事の現場調査です!!!よろしくお願いします!
— 安川佳宏/店舗工事の人/ヤスカワヨシヒロ (@yoshi_yasukawa) June 21, 2025
まだ、日程の連絡が返せてない方が多い、、本当にすいません!
余談ですが、本当に俺も力のある人の中に入ったりするの本当にありやと思ってる。 https://t.co/TzL0tKJOPs pic.twitter.com/2MLDuzh41Y
安成工務店
安成工務店は、山口県・福岡県で展開する創業74年の工務店です。Instagramで8.5万人以上のフォロワーを獲得し、高いエンゲージメント率を維持しています。
シンプルながらもおしゃれで全体像が見やすい投稿が人気を集めています。「#心地よい暮らし」「#自然と暮らす家」など、ターゲットに響くハッシュタグをうまく活用しており、これからInstagram運用を始めたい方におすすめのアカウントです。
ハウスクラフト
三重県の工務店であるハウスクラフトは、Instagramのあらゆる機能を駆使し、8万人以上のフォロワーを獲得しています。
IGTVやインスタライブを積極的に活用するほか、URLリンクを掲載できるストーリーズ投稿では、顧客の声、イベント告知、アンケート、求人案内などを通じて、自社ウェブサイトへの誘導も行っています。アカウント設計が参考になる企業です。
リフォーム会社におすすめのSNS

リフォーム会社がSNSを活用する際、プラットフォームごとの特性を理解して使い分けることが重要です。ここでは、特にリフォーム業界との相性が良く、効果的な集客や信頼構築につながる3つのSNSプラットフォームを詳しく解説します。
YouTube
YouTubeは動画コンテンツによる情報発信に最適なプラットフォームです。リフォーム・リノベーションの視覚的な変化と動画の相性が抜群で、施工プロセス全体を詳細に記録・共有できます。
「築45年空き家のリフォーム全工程」「各メーカーの設備比較レビュー」など、顧客が知りたい情報を分かりやすく伝えることで、高い信頼性を獲得できます。
投稿頻度は週1~2本程度で十分効果を発揮します。また、YouTubeの長尺動画から切り抜いたshort動画を、他のプラットフォームに活用するのもおすすめです。
Instagramはビジュアル重視のプラットフォームで、リフォーム業界に適したSNSの一つです。ビフォーアフター写真の投稿により、劇的な変化を視覚的に訴求できます。
内製化における活用ポイントとして、現場の職人による撮影とリアルタイム投稿により、工事の透明性と品質の高さを同時にアピールできます。ストーリーズ機能では、工事進捗の日々の報告、完了後の顧客の喜びの声、職人の作業風景などを気軽に共有でき、親しみやすい企業イメージを構築できます。
ハッシュタグ戦略により、フォロワーが少ない初期段階でも多くの人に投稿を見てもらえるため、内製化には特に適しています。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)はリアルタイム性に優れたプラットフォームで、工事の進捗報告や緊急時の連絡ツールとして活用できます。140文字という制限により、簡潔で分かりやすい情報発信が求められますが、その分投稿の負担も軽く、内製化に適しています。
効果的な活用方法として、工事開始・完了の報告、業界ニュースへのコメント、日常的な職人の作業風景の共有などがあります。拡散力が高いため、話題性のある投稿により短期間での認知度向上も期待できます。
SNS運用代行という選択肢も
SNS運用に手が回らない、専門知識が不足しているといった課題を抱えている場合、SNS運用代行会社への委託は有効な選択肢です。代行サービスを効果的に活用することで、効率的な情報発信が可能になります。
SNS運用代行会社を活用することで、専門知識や最新トレンドを反映した情報発信が実現します。企画から投稿管理、効果分析までを一貫して任せられるため、社内スタッフの負担を大幅に軽減できます。これにより、SNS運用の質と安定性の向上が期待できます。
※株式会社シュビヒロでは、企業様のSNSを運用することが可能です。ご相談したいことがございましたら、フォームよりお問合せください。
リフォーム会社のSNS運用に関するよくある質問

最後に、リフォーム会社のSNS運用に関するよくある質問とその回答をまとめました。
どんな投稿がお客様に響く?
最も反響の大きいコンテンツは、リアルな変化を示すビフォーアフター投稿です。同じ角度からの撮影、統一したライティングにより、リフォーム効果を最大化して訴求できます。
また、お客様の声を交えたコンテンツとして、「リフォーム会社の選び方」「メンテナンス方法」などのお役立ち情報も顧客に価値を提供し、専門性をアピールできます。
重要なのは、宣伝色を抑え、顧客の立場に立った有益な情報を提供することです。
どれくらいで成果が出る?
SNS運用の成果は段階的に現れ、約1年ほどかかります。最初の3ヵ月は基盤構築期として、アカウント設定、投稿リズムの確立、初期フォロワー獲得に注力します。
3-6ヶ月の成長期では、フォロワーの安定増加、エンゲージメント向上、初回問い合わせの発生が期待されます。6-12ヶ月の成果創出期には、月間問い合わせの増加、初回成約開始、ブランド認知度向上が実現し、具体的なROI測定が可能になります。
重要なのは短期的な成果に一喜一憂せず、長期的なブランド構築を重視することです。
最新のSNSトレンドはどう取り入れる?
競合企業の成功しているSNSアカウントを分析し、運用改善に役立てましょう。自社の目的やターゲット層に近いアカウントを選び、その戦略を分析することが重要です。
ベンチマークとなるアカウントを探す際には、関連キーワードやハッシュタグを用いて実際に検索したり、競合他社のアカウントのフォローリストを確認したりする方法がおすすめです。
例えば、最新トレンドとして、ショート動画の普及があげられます。その中でも、リフォーム業界では、職人技術のスピード感ある紹介や施工手順の解説動画が人気です。
ただし、全てのトレンドに追従するのではなく、自社の事業特性と顧客ニーズに適合するトレンドを取り入れることが重要です。月1回の情報収集、四半期ごとの戦略見直しにより、効果的にトレンドを活用しましょう。
まとめ
リフォーム会社にとって、SNSは集客や認知獲得において非常に有力な手段です。ビフォーアフター写真や施工プロセスの動画は、他の広告手法では伝えきれない技術力と信頼性を視覚的に訴求でき、顧客の心を動かす強力なコンテンツとなります。
しかし、SNSで成果を上げるためには継続的な運用が不可欠です。週3回以上の投稿、質の高いコンテンツ制作、適切なハッシュタグ設定、フォロワーとのコミュニケーションなど、想像以上に多くの作業が必要になります。多忙なリフォーム会社にとって、これらを継続することは決して簡単ではありません。
そのため、自社のリソースやノウハウを冷静に評価し、内製化を進めるか、専門の運用代行を活用するかを検討することが重要です。特に、SNS運用の専門知識を持つパートナーと連携することで、効率的かつ効果的な情報発信が実現できます。
※株式会社シュビヒロでは、企業様のSNSを運用することが可能です。ご相談したいことがございましたら、フォームよりお問合せください。
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