TikTokは国内の月間アクティブユーザー数が4,200万人を超え(参考:TikTok公式ニュースルーム)、企業にとって有力なマーケティングチャネルへ成長しました。一方で、アカウントの種類や開設手順、運用のコツが分からず踏み出せない担当者も多いのが実情です。
本記事では、TikTok企業アカウント(ビジネスアカウント)の基本から作成手順、成功事例、KPI設計、最初の30日間ロードマップまで解説します。
※株式会社シュビヒロでは、企業様のTikTokを運用することが可能です。ご相談したいことがございましたら、フォームよりお問合せください。
TikTok企業アカウントとは

TikTokには、個人アカウントと、ビジネスアカウントの2種類があります。企業がTikTokを運用する場合、基本的にはビジネスアカウントを選択するのが一般的です。
ビジネスアカウントは無料で利用でき、分析機能や外部リンクの設置など、マーケティングに役立つ機能が標準搭載されています。ここでは、個人アカウントとの違いと、ビジネスアカウント特有の機能を整理していきましょう。
個人アカウントとの違い
個人アカウントとビジネスアカウントの最大の違いは、データ分析機能の有無と使える楽曲の範囲です。ビジネスアカウントでは、投稿ごとの再生数・視聴維持率・フォロワーの属性を確認できるインサイト機能が利用できます。個人アカウントには、この機能がありません。
楽曲については、個人アカウントではTikTok上のすべての音源を自由に使えます。一方、ビジネスアカウントは商用楽曲ライブラリ(CML)に収録された音源のみが使用対象です。流行りの楽曲を使えない制限がある代わりに、著作権トラブルのリスクを回避できます。
さらに、ビジネスアカウントではプロフィール欄に外部リンクやメールアドレスを設置でき、自社サイトやECサイトへの導線を作れます。この導線設計の有無も、個人アカウントとの大きな差です。
ビジネスアカウントで使える機能
ビジネスアカウントに切り替えると、以下の機能が追加されます。
| 機能名 | 主な内容・メリット |
| インサイト分析 | 動画の再生数、平均視聴時間、完全視聴率、フォロワーの年齢・性別・地域をダッシュボードで確認できる |
| プロフィールへの外部リンク設置 | 自社サイト、ECページ、予約フォームなど任意のURLを配置できる |
| ビジネスクリエイティブハブ | 業界別のトレンド動画やクリエイティブ事例を閲覧し、自社の企画に活かせる |
| 商用楽曲ライブラリ(CML) | 著作権クリア済みの楽曲を使用できる |
| 広告配信機能との連携 | TikTok Ads Managerと連携し、投稿の広告配信やプロモーションをスムーズに実行できる |
これらはすべて無料で利用可能です。中でもインサイト分析は、投稿の改善サイクルを回すうえで欠かせません。
運用開始後に「どの動画が伸びたのか」「どの層に届いているのか」を数値で把握できるため、感覚に頼らない運用が可能になります。
TikTok企業アカウントを開設するメリット

TikTokは、あらゆる業種の企業が集客・採用・販促に活用するプラットフォームへ変化しました。企業がアカウントを開設するメリットは複数ありますが、中でも押さえておきたいのが「拡散力」「リーチ範囲の広がり」「活用の多様性」の3点です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
フォロワー0でも動画が拡散される
TikTokの最大の特長は、フォロワーが0人の状態でも動画がおすすめフィードに表示される仕組みです。
InstagramやXでは、フォロワーが少ないアカウントの投稿はほとんど閲覧されない傾向があります。しかしTikTokのアルゴリズムは、投稿された動画をまず少数のユーザーに表示し、視聴維持率やいいね率を測定します。数値が高ければ、さらに多くのユーザーへ配信される仕組みです。
コンテンツの質が高ければ、アカウント開設直後でも数万〜数十万回の再生を獲得できるケースがあります。広告費をかけずにリーチを広げられるため、予算が限られる中小企業にとってメリットのある仕組みです。
若年層以外にもリーチが広がっている
TikTokは10代・20代向けのSNSと思われがちですが、ユーザー層は大きく変化しています。
TikTokの公式発表によると、国内の月間アクティブユーザー数は4,200万人を突破しました。総務省の調査でも、30代の利用率が32.0%、40代が26.8%、50代で25.4%と、幅広い年代に利用が広がっている状況です。
そのため、BtoC商材はもちろん、意思決定者層が多い30〜50代にもリーチできます。BtoB企業のマーケティングチャネルとしても、活用できるプラットフォームです。
採用・集客・販促の3軸で活用できる
採用活動では、職場の雰囲気や社員の人柄を動画で伝え、求人媒体だけでは届かない候補者にアプローチできます。集客では、店舗の魅力や商品の使い方を短尺動画で発信し、来店や問い合わせにつなげることが可能です。
販促では、商品レビューやスタッフ解説によって購買意欲を高め、ECサイトや店頭での売上につなげる活用法もあります。1つのアカウントで複数の目的をカバーできるため、リソースが限られる中小企業にとって効率的な運用が実現しやすい構造です。
TikTok企業アカウントの作成手順

TikTokのビジネスアカウント開設は、スマートフォン1台あれば5分程度で完了します。特別な審査や費用は不要です。
アカウント登録からビジネスアカウントへの切り替え、プロフィールの最適化まで、3ステップで解説します。
ステップ①アプリをDLして登録する
まず、App StoreまたはGoogle Playから「TikTok」アプリをダウンロードします。アプリを起動したら「登録」をタップし、メールアドレス・電話番号・Googleアカウント・LINEアカウントなど任意の方法でアカウントを作成してください。
企業利用の場合は、個人のプライベートアカウントとは別に、社用のメールアドレスで登録するのがおすすめです。担当者が異動・退職した際にも、引き継ぎがスムーズになります。
ユーザー名(@以降の文字列)は、企業名やブランド名がひと目で分かるものに設定しましょう。後から変更も可能ですが、初期段階で統一しておくとブランディングが安定しやすくなります。
ステップ②ビジネスアカウントに切り替える
アカウント登録が完了したら、初期設定のまま使わず、ビジネスアカウントへ切り替えます。手順は以下のとおりです。
- プロフィール画面右上のメニュー(☰)をタップ
- 「設定とプライバシー」を選択
- 「アカウント」をタップ
- 「ビジネスアカウントに切り替える」を選択
- 業種カテゴリを選んで完了

切り替えは無料で、即座にインサイト機能や外部リンク設置が使えるようになります。
なお、ビジネスアカウントから個人アカウントへの再切り替えも可能です。ただし、切り替え時にインサイトデータがリセットされるため、タイミングには注意してください。
ステップ③プロフィールを最適化する
ビジネスアカウントへの切り替え後は、プロフィールを整えましょう。TikTokでは、動画を見たユーザーが興味を持つとプロフィールを訪れます。ここが未整備だと、フォローや外部サイトへの遷移につながりません。
以下のチェックリストに沿って、各項目を設定してください。
- アイコン画像:正方形・高解像度のブランドロゴ、または出演者の顔写真を設定している
- アカウント名:ブランド名+カテゴリキーワード(例:○○家具|インテリアのプロ)を含めている
- 自己紹介文:80文字以内で「誰が・何を発信するアカウントか」とフォローを促す行動喚起を入れている
- 外部リンク:自社サイト・LINE・予約ページなど、最も誘導したいURLを1つ設定している
- アカウントカテゴリー:自社の業種に合ったカテゴリーを選択している
- 自動返信メッセージ:DMへの初回メッセージを設定し、問い合わせ対応の初動を自動化している
- 他SNSとの連携:Instagram・YouTubeなど既存のSNSアカウントとのリンクを完了している
特にアカウント名と自己紹介文は、TikTok内の検索結果にも影響します。ユーザーが検索しそうなキーワードを自然に盛り込むことで、検索経由の流入も見込めます。
外部リンクは1つしか設定できないため、複数のURLを掲載したい場合はリンクまとめサービス(lit.linkやLinktreeなど)を活用する方法が有効です。
TikTok企業アカウントの成功事例4選

実際にTikTokを活用し、成果を上げている企業の事例を4つ紹介します。BtoC、BtoB、採用と目的が異なるアカウントを取り上げているので、自社に近い業種や目的と照らし合わせて参考にしてください。
【BtoC】ドン・キホーテ/再生数重視で売上直結

参照:https://www.tiktok.com/@donki_cp
ドン・キホーテの公式TikTokアカウントは、フォロワー約56万人、累計いいね数830万以上を獲得しています。
運用の特徴は、商品紹介に徹したシンプルな動画構成です。1本あたりの尺を20秒以内に収め、冒頭でインパクトのある商品ビジュアルを映してスクロールを止めます。出演者の人柄ではなく、商品そのものを主役にしている点が一貫しています。
100万回再生を連発する動画から店頭での売上増加を実現している点も注目しましょう。50万回以上再生された商品をプレイリストにまとめ、ユーザーが気になる商品を探しやすい導線も構築しています。再生数をKPIに据え、売上との相関を検証しながら改善を続ける運用スタイルは、BtoC企業にとって参考になるモデルです。
【BtoC】LOWYA/スタッフ出演で専門性を訴求

参照:https://www.tiktok.com/@lowya_official_608
家具・インテリアブランドLOWYAの公式アカウントは、フォロワー約45万人を超えるアカウントです。
最大の特徴は、インテリアに詳しいスタッフが顔出しで商品を紹介するスタイルにあります。家具のサイズ感や質感、部屋への配置イメージなど、ECサイトの写真だけでは伝わりにくい情報を動画で補完しています。
広告色を抑え、スタッフの自然な語り口で紹介することで、視聴者からの信頼獲得に成功しています。コメント欄にはサイズや色に関する質問が多数寄せられ、双方向のコミュニケーションが生まれている点もポイントです。社員を起用した運用は、専門性と親しみやすさの両立に有効な手法といえるでしょう。
【BtoB】設備屋の小竹さん/現場解説で指名獲得

参照:https://www.tiktok.com/@chutec_kyoto
京都の設備工事会社・中央テクノ株式会社は、「設備屋の小竹さん」の名前でTikTokを運用しています。フォロワーは約9,400人と規模は大きくありませんが、BtoB企業の参考になる事例です。。
投稿の中心は、マンションの換気設備や水道トラブルの解説など、生活に密着した現場知識の発信です。一般ユーザーにとって有益な情報を届けることで、「設備の困りごとがあればこの会社に相談しよう」と指名で想起される状態を作り出しています。
専門知識を分かりやすく発信することで、見込み顧客からの信頼獲得につながる好例といえます。
【採用】キートス保育園/毎日投稿で採用費3,000万削減

参照:https://www.tiktok.com/@kiitos_staff
千葉県で認可保育園を運営するキートスチャイルドケアは、TikTokアカウント「保育園 キートス」で採用活動に成果を出しました。
フォロワーは約4.6万人。保育士の日常風景や園内の雰囲気を伝える動画を高頻度で投稿し、1,000万回再生を超える動画も生まれています。
TikTokを通じて30名以上の保育士を採用し、以前は年間約3,000万円かかっていた採用費用を削減しました。採用ターゲットである20代の保育士候補にダイレクトにリーチできた点が成功の要因です。
職場の空気感は求人票だけでは伝わりにくいため、動画で園の雰囲気を見せることで入社後のミスマッチ防止にも役立っています。
TikTok企業アカウント運用のKPI設計

TikTok運用を始めたものの「何を指標にすればよいか分からない」と悩む担当者は少なくありません。InstagramやXと同じ感覚でフォロワー数だけを追うと、TikTokの特性を活かしきれず成果を見失う傾向があります。
ここでは、TikTokに適したKPI設計の考え方を解説します。
フォロワー数ではなく再生数を追う
TikTok運用で最初に追う指標は、フォロワー数ではなく動画の再生数が適しています。
TikTokのアルゴリズムはフォロワー数に依存せず、コンテンツ単位で拡散を判断します。フォロワーが少なくても再生数が伸びれば新規ユーザーにリーチでき、逆にフォロワーが多くても動画が見られなければ効果は限定的です。
再生数を追うことで、「どの動画がユーザーに刺さったか」を投稿ごとに検証できます。まずは1本あたり1,000再生を安定して超えることを最初の目標に設定し、コンテンツの型を磨いていく進め方が効果的です。
目的別に設定する指標を決める
再生数を軸にしつつ、運用の目的に応じてKPIを追加します。目的別の推奨指標は以下のとおりです。
- 認知拡大が目的:再生数、リーチ数、動画の共有数
- 集客・問い合わせが目的:プロフィールアクセス率、外部リンクのタップ数
- 採用が目的:プロフィール経由の応募数
複数の指標を同時に追うと運用が複雑になりがちです。最初は目的に合った指標に絞り、3ヶ月ごとに見直しながら段階的に計測範囲を広げていく方法がよいでしょう。
インサイト画面で見る数値を押さえる
ビジネスアカウントのインサイト画面には多くの数値が表示されますが、すべてを細かく確認する必要はありません。運用初期に注目する数値は、以下の4つに絞ると効率的です。
- 平均視聴時間:ユーザーが動画を何秒見ているかを示す指標で、短い場合は冒頭の構成を見直す判断材料になる
- 完全視聴率:動画を最後まで見た人の割合で、この数値が高いほどおすすめフィードに表示されやすい傾向がある
- プロフィール表示回数:動画からプロフィールに遷移した回数で、興味喚起の度合いを測定できる
- フォロワーの属性(年齢・性別・地域):発信内容がターゲットに届いているかの確認に使う
特に完全視聴率は、TikTokのアルゴリズムが動画を拡散させるかどうかの判断に影響するとされている指標です。この数値を意識しながら、動画の尺や構成を調整していきましょう。
TikTok企業アカウント|最初の30日ロードマップ

アカウント開設後、何から始めればよいのかが分からず投稿が止まるケースは多く見られます。ここでは、最初の30日間で取り組むアクションを週単位で具体的にまとめました。
この流れに沿って実行すれば、1ヶ月後には自社に合った投稿の型が見えてくるでしょう。
第1週|ベンチマーク3アカウントを選びコンセプト1行で言語化する
最初の1週間は、動画を撮り始める前のリサーチとコンセプト設計に充てます。ここを飛ばすと、投稿の方向性が定まらず、2週目以降の改善が回しにくくなります。
ステップ1:候補アカウントを10個以上リストアップする
TikTokの検索窓に自社の業種名やサービスジャンルを入力し、表示されるアカウントを片端からチェックします。同業種だけでなく、ターゲット層が近い異業種のアカウントも含めると視野が広がります。アカウント名・フォロワー数・直近10本の平均再生数をスプレッドシートに記録しましょう。
ステップ2:ベンチマーク3アカウントを選定する
リストアップした中から、以下の基準で3アカウントを選びます。
- 直近10本の平均再生数がフォロワー数の10%以上ある(例:フォロワー1万人なら平均1,000再生以上)
- 投稿頻度が週2本以上で継続的に運用されている
- 自社の目的(集客・採用・販促)と運用目的が近い
フォロワー数の多さよりも再生数の安定感を基準にするのがポイントです。
ステップ3:3アカウントの投稿を構造分解する
選定した3アカウントの再生数上位5本を、以下の観点でそれぞれ分析します。
- 冒頭1〜2秒で何を見せているか(テロップ、映像、音声のどれで引いているか)
- 動画の尺は何秒か
- 出演者は顔出しか、手元のみか、ナレーションのみか
- テロップの文字数・配置・色使いはどうなっているか
- 最後にCTA(行動喚起)を入れているか
分析結果を3アカウント分並べると、「冒頭に数字を入れている」「尺は15〜20秒に収まっている」など、再生数が伸びている投稿の共通パターンが浮かび上がります。
ステップ4:自社アカウントのコンセプトを1行で定義する
リサーチ結果を踏まえ、「誰が・誰に向けて・何を・どう伝えるか」を1行にまとめます。
例:「設備担当スタッフが、住宅オーナーに向けて、水回りトラブルの予防法を30秒で解説するアカウント」
1行に収まらない場合は要素を詰め込みすぎている証拠です。削れる要素がないか見直し、チーム内で共有しやすい粒度にまで絞り込んでください。このコンセプトが、以降すべての投稿企画の判断基準になります。
第2週|フォーマットを変えてテスト投稿を3本公開する
リサーチとコンセプトが固まったら、第2週で実際に動画を3本投稿します。ここでのポイントは、3本すべてを同じ形式にしないことです。
たとえば、1本目はスタッフが顔出しで解説する形式、2本目は商品やサービスのビフォーアフターを見せる形式、3本目はテロップ中心でナレーションを入れる形式と、フォーマットを変えて反応を比較します。
撮影はスマートフォンで十分です。1本の尺は15〜30秒に収め、縦型の全画面で撮影してください。投稿時間は、ターゲット層が視聴しやすい朝7〜8時台、昼12時台、夜19〜21時台を目安に分散させると、どの時間帯に伸びやすいかも検証できます。
第3〜4週|完全視聴率が高い動画の共通点を抽出して型化する
3本の投稿データが揃ったら、インサイト画面で各動画の数値を比較します。ここで注目するのは完全視聴率です。
最も完全視聴率が高かった動画を基準に、「なぜ最後まで見られたのか」を分析します。冒頭のフック、テロップの読みやすさ、尺の長さ、話し方のテンポなど、要因を具体的に書き出してください。
共通点が見つかったら、それを自社の勝ちパターンとして型化します。第3〜4週ではこの型をベースに追加で3〜5本を投稿し、再現性を検証しましょう。ここで型が固まれば、翌月以降の企画立案と撮影の効率が格段に上がります。
TikTok企業アカウントにおけるバズる動画コンテンツの作り方

TikTokでは、動画のクオリティよりも、最初の数秒で興味を引けるかどうかが再生数を左右します。高価な機材や編集技術がなくても、構成と企画のポイントを押さえれば成果を出すことは可能です。
ここでは、再生数を伸ばすために押さえるコツを3つ解説します。
冒頭1〜2秒でスクロールを止めるフックを入れる
TikTokのおすすめフィードでは、ユーザーが次々と動画をスワイプしています。冒頭1〜2秒で見たいと思わせなければ、動画はスキップされます。
効果的なフックのパターンは、「結論を先に提示する」「意外性のある数字を見せる」「疑問形のテロップを画面に大きく出す」の3つが代表的です。たとえば、「月3万円で新卒5名を採用した方法」と冒頭テロップに入れるだけで、採用担当者の指は止まります。
逆に、会社ロゴや挨拶から始まる動画は離脱率が高い傾向があります。企業アカウントだからといって丁寧な導入は不要です。開始直後に最もインパクトのある情報を出す構成を徹底しましょう。
「広告っぽさゼロ」の中の人目線で撮る
TikTokのユーザーは、企業のプロモーション動画だと感じた瞬間に見るのをやめてしまう傾向があります。勧誘されそう、という感覚が反射的に働くのでしょう。
この離脱を防ぐ手法として広まっているのが、「中の人」スタイルの発信です。「中の人」とは企業SNSアカウントの運用担当者を指し、公式の堅い口調ではなく個人アカウントのように自分の言葉や感情を交えて発信するスタイルのことです。
企業としての信頼性を保ちつつも、担当者個人の視点や日常的なトーンで語ることで、ユーザーとの心理的な距離が縮まり、コンテンツが広告ではなく人の言葉として受け取られやすくなります。その結果、共感やリアクションが生まれやすく、アルゴリズム上も拡散されやすい傾向にあります。
社内の当たり前をネタにして企画切れを防ぐ
TikTok運用を続けられなくなる理由のひとつはネタ切れです。週2〜3本のペースで投稿を続けると、早ければ1ヶ月で企画が枯渇するケースも見られます。
この問題を解消する方法は、「社内では当たり前だが社外の人は知らないこと」をネタにすることです。業界の専門用語の解説、日常業務の裏側、よく聞かれる質問への回答など、日々の業務の中にコンテンツの種は数多くあります。
成功している企業アカウントの多くは、新しい企画を毎回考えるのではなく、既存の業務知識をTikTok向けに変換して発信しています。週1回、社内ミーティングで今週お客様からよく聞かれた質問を共有する場を設ければ、ネタのストックは自然に溜まっていくでしょう。
TikTok企業アカウント運用の注意点

TikTokは拡散力が高い分、運用ルールを知らずに投稿するとトラブルにつながるリスクも伴います。特に企業アカウントでは、楽曲の著作権、炎上リスク、出演者の退職時の対応について事前にルールを整備しておくことが重要です。
商用楽曲ライブラリ以外の音源は使えない
ビジネスアカウントでは、TikTokが提供する商用楽曲ライブラリ(CML)に収録された音源のみが使用対象です。個人ユーザーが使っている流行りの楽曲や、他のユーザーが作成したオリジナルサウンドは商用利用の対象外となります。
CML以外の音源を使用した場合、動画の音声がミュートされたり、アカウントの機能が制限される可能性があります。2025年7月にはTikTokの音楽利用規約が改定され、LIVE配信にも同一ルールが適用されるようになりました。
CMLには150万曲以上が収録されており、ジャンルやムード別に検索できます。流行曲は使えませんが、BGMとして十分な選択肢が用意されています。ナレーション中心の構成にすれば、楽曲制限の影響はほとんど受けません。
炎上リスクへの事前対策を整える
TikTokは拡散力が高い分、意図しない形で動画が広まるリスクも伴います。不適切な表現や、誤解を招く演出、特定の属性を揶揄する内容は、短時間で批判が集中する原因になりやすいです。
対策として最低限準備したいのは、投稿前のチェック体制と炎上時の対応フローの2つです。投稿前には担当者以外の社員が内容を確認するダブルチェック体制を設けましょう。万が一批判が拡大した場合に、誰が判断し、いつまでに対応するかをあらかじめ決めておけば、初動の遅れを防げます。
コメント欄の管理も見落とせないポイントです。ネガティブなコメントに対して感情的に返信すると事態が悪化する傾向があります。コメントへの対応方針も社内で統一しておきましょう。
出演者退職時の動画管理ルールを決める
企業アカウントでスタッフが顔出し出演している場合、退職後に動画をどう扱うかは必ずあらかじめ考えておきましょう。
退職した社員が出演する動画がそのまま公開されていると、視聴者に誤解を与えるだけでなく、肖像権のトラブルに発展するケースもあります。入社時または出演開始時に、退職後も動画の公開を継続してよいかを書面で合意しておくことが必要です。
具体的なルールとしては、退職後に動画を非公開にする、顔をぼかして再編集する、一定期間後に削除するなどがあります。いずれの方法を採るにしても、出演者本人と事前に合意し、社内の運用マニュアルに明記しておきましょう。
TikTok企業アカウントに関するよくある質問

TikTok企業アカウントの運用を検討する際、多くの担当者が気になるのが「どれくらいの人手と時間が必要なのか」「成果が出なかったらどうするか」といった実務面の疑問でしょう。
ここでは、運用体制・外注判断・動画の作り方・BtoB活用・成果が出るまでの期間など、企業のTikTok運用でよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
運用にかかる人員と工数の目安は?
最小構成は、企画・撮影・編集・投稿を1人で兼任する体制です。週2本の投稿ペースであれば、1本あたりの工数目安は企画30分、撮影30分、編集1時間、投稿・分析30分で、週あたり合計5時間程度になります。
ただし、1人運用はネタ出しや品質チェックの面で負荷が偏りやすい傾向があります。企画出しを手伝うサブ担当を1名配置できると運用が安定しやすいです。撮影と出演を分けるなら最低2名、チェック体制まで含めると3名が理想的な構成です。
運用代行を使うタイミングは?
社内で3ヶ月ほど運用しても再生数が安定しない場合や、投稿頻度を維持する人的リソースが確保できない場合は、運用代行の検討をおすすめします。
代行会社を選ぶ際は、「自社の業界に近い運用実績があるか」「企画の提案力があるか」「費用」の3点を確認してください。丸投げではなく、社内の担当者が企画段階から関与し、撮影・編集を外注するハイブリッド型が、コストと品質のバランスに優れた方法です。
企業アカウントでバズるにはどんな動画を作れば良い?
再生数が伸びやすい動画に共通するのは、「冒頭の引きが強い」「完全視聴率が高い」「保存や共有がされやすい」の3条件です。
具体的には、冒頭1〜2秒で結論や意外な事実を提示し、15〜30秒の短い尺にまとめ、誰かに教えたくなる情報を含めることが重要になります。ハウツー系、業界の裏話、ビフォーアフター形式は、企業アカウントと相性が良く再生数が伸びやすいジャンルです。
TikTokの企業アカウントはBtoBでも効果がある?
BtoB企業でもTikTokは効果を発揮する傾向があります。直接的な受注獲得よりも、認知拡大と指名想起の獲得に適したチャネルです。
BtoB企業がTikTokを運営するのは、前述の「設備屋の小竹さん」のように、専門知識を一般向けに発信し、「この分野ならこの会社」と想起される状態を作ることが目的です。TikTokユーザーの平均年齢が20代から50代まで幅広いとされている現在、意思決定に関わるビジネスパーソンへのリーチも十分に期待できるプラットフォームです。
効果が出るまでどれくらいの期間がかかる?
一般的に、再生数の安定には1〜3ヶ月、フォロワーの増加やコンバージョンへの貢献には3〜6ヶ月が目安です。
TikTokは1本の動画が突発的にバズる可能性がある一方、継続的な成果を出すには投稿データの蓄積と改善の繰り返しが必要です。最初の1ヶ月は、勝ちパターンの探索期間と位置づけ、完全視聴率や視聴維持率のデータを地道に蓄積することが成果につながります。
まとめ
TikTok企業アカウントは、無料で開設でき、フォロワー0の状態からでも動画が拡散されるポテンシャルを持つプラットフォームです。
本記事では、ビジネスアカウントと個人アカウントの違い、開設手順、業種別の成功事例、KPI設計の考え方、最初の30日間ロードマップ、バズる動画の作り方、運用上の注意点までで解説しました。
アカウント開設から初回投稿までは、早ければ即日で完了します。まずは本記事の手順に沿ってビジネスアカウントを開設し、第1週のリサーチから始めてみてください。
※株式会社シュビヒロでは、企業様のTikTokを運用することが可能です。ご相談したいことがございましたら、フォームよりお問合せください。


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